第五話 罠

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第五話 罠

ジョシュア達はハインラットを目指し、冒険を続けていたが その道中奇妙な噂を聞いた五人は近くにあるシャンマイ村を訪れていた。 「どう思うアヤ・・・あの噂は」 「おそらく・・・罠かと・・」 先頭を歩くアヤとリオスは噂についての話をしていた。 事の発端は 旅の途中に出会った商人から聴いた噂話だった。 その噂とは このシャンマイ村には秘宝が眠っているというものだった。 それを聞いたジョシュアが 「行こう!!財宝とか、男のロマンだろ!!!」 と言い出したのがきっかけだった。 リオスは「ダメだ!!」 と却下したのだがサクラまでもが 「財宝!!金ぴか!!見たいですぅ!!」 と言い出したことにより、仕方なくリオスも賛成しその村へと向かうことになったのだった。 「秘宝だぜ!!フィリア姉さん!!すっげぇワクワクするな!!」 「ジョッシュ、興奮しすぎだよ・・・恥ずかしい・・・」 「フィリアお姉ちゃん!!何言ってるの!?秘宝だよ!!お宝だよ!!金ぴかだよ!!すっごい綺麗なんだよ!!興奮しないわけないじゃないですか!!!」 「えぇぇ・・・・サクラちゃんまで・・・・」 興奮するジョシュアとサクラ、それに困惑するフィリア 「リオス様・・・いかがしますか?」 「・・・もういい・・・ほっとけ・・・」 呆れながらもリオスは周辺の警戒をしていた。 これが罠であるだろうと考えていた。 「アヤ、周辺の警戒を怠るなよ」 「えぇ・・・警戒は怠りません」 リオスとアヤがそんな会話をしているなかその背後から何やら賑やかな声が・・・ 「たっから!!たっから!!たっから!!!」 「きんぴかっ!きんぴかっ!」 「リオスく~んアヤさ~ん・・・助けてぇ・・・私・・・恥ずかしすぎるよぉ~」 「え、えっと・・・その・・・」 「・・・・・」 浮かれるジョシュアとサクラ それに巻き込まれ、涙目で助けを求めるフィリア 慌てるアヤ 呆れすぎて無口になってしまうリオス ・ ・ ・ 「なんもないな・・・ガセだったのかな?」 「うぅぅ・・・・きんぴかぁ・・・」 「サ、サクラちゃん・・・泣かないで?」 村についてしばらくの間お宝探しをしていたが見つかる気配もなく、村人に聞いても 「え?そんな話きいたことありませんが?」 と言われるだけであった。 「アヤ・・・どうだ?」 「付近には怪しい動きはありません・・・・」 「罠ではないのか・・・」 宝さがしに勤しむジョシュアとサクラをしり目にリオスとアヤは周辺を探って いた。 これが罠である。 リオスはそう確信していた。 しかし、誰も襲ってくる気配は無かった。 「なぁなぁ!!リオスにぃ!今日はこの村で休もうぜ?」 宝さがしで疲れたジョシュアはリオスに提案する。 「そうだな・・・そうするか・・」 「私も賛成かな・・・疲れちゃった・・・えへへ・・」 「では、私は宿の手配をしてまいります」 「あ、アヤさん!アヤさん!!私もぉー!!」 そう言ってアヤとサクラは宿場へと向かう。 「ジョッシュ、俺はしばらくこの村の周りを見て回る。先にアヤたちと宿に向かっててくれ」 リオスはそう言うと村の外周へと歩いていく。 「じゃぁいこっか姉さん」 「うん」 そして二人はアヤたちの元に向かう。 だが二人は気づいていなかった。 背後に忍び寄る不穏な影に・・・ ・ ・ ・ 「外周にも異常はない・・・か・・・」 リオスは村の外周を調べていた。 「・・・いや、異常ありだな・・」 (数は・・・・四人か・・・いや、それ以上か) そしてリオスが刀に手を伸ばすと同時に周囲を黒衣の集団が姿を現す。 「・・・」 「誰だ?貴様ら」 「我らは貴様を倒すために雇われた者だ・・・」 「暗殺専門の傭兵か?それにしては随分と堂々としているな」 「・・・・」 暗殺者たちは無言で武器を抜く。 「俺を狙っているのか?違うな・・・狙いはフィリアか・・」 リオスも刀を構える。 「とりあえず、貴様らがどこのどいつかは知らんが俺の前に現れたことを後悔しろ・・」 リオスはそう言って暗殺者へと斬りかかるのだった。 ・ ・ ・ 宿場からでて、ジョシュアたちを探すアヤとサクラ。 「どこ行ったんでしょうね?ジョシュアさんたち・・・」 「そうですね・・・ん?・・・ハッ!!サクラさん!!そこを離れてください!!」 アヤはそう言うとサクラを突き飛ばす。 「きゃぁっ!!」 サクラの立っていた場所に矢が刺さる。 「これは・・・想定外ですね・・・」 アヤはそう言って上を見る。 そこにはリオスを襲ったのと同じ黒衣の男たちがいた。 「ア、アヤさん!?あの人たちは・・・」 「サクラさん・・・行けますよね?」 「なんだかわかりませんが・・・やってみせます!!!!」 二人は構える。 「フィリア様とジョシュア様が危険です!早く片付けましょう!!」 「はいっ!!アヤさん!!」 ・ ・ ・ 「なんか・・・騒がしいな・・・なんかあったのかな?」 「そうだね?というより・・・ここどこ?」 リオス達が襲われているとき、ジョシュアは迷子になっていた。 「うーん・・・おかしいな・・・確かこっちに宿場があったはずなんだが・・・」 「ジョッシュ相変わらず方向音痴だね?こんな小さな村でも迷うんだ・・・」 「アハハハハハ・・・」 そんな二人の後ろから一人の男が現れる。 「ジョシュアさんとフィリアさんですね?」 「ん?そうですけど・・・誰?」 男は微笑むと剣を抜きジョシュアに向けて言い放つ。 「君たちを殺しに来ました・・・」 ・ ・ ・ 「剣技!天翔抜刀斬り!!」 リオスを襲った暗殺者は次々と倒されていく。 「さすが元王国の暗殺部隊の隊長だった男ですね・・・リオス隊長」 そして一人の男がリオスの前に現れる。 「貴様は・・・!?」 ・ ・ ・ 「槍技!!百海里!!」 「忍技・・・花吹雪!」 アヤとサクラの二人も暗殺者たちと激闘を繰り広げていた。 「はぁはぁ・・・いったいどれだけいるんですか!?」 「サクラさん・・・大丈夫ですか?動きが鈍くなってきていますよ?」 「さすがに・・・疲れてきましたね・・アヤさんこそ大丈夫ですか?」 「・・・私は慣れていますので・・」 アヤは刀についた血を掃うと残る暗殺者を見つめる。 「厄介ですね・・・ただの暗殺者ではないようです・・・」 「早く倒してジョシュアさんたちのところに行かないといけないのに・・」 「ですね・・・」 ・ ・ ・ 「クッ!!いきなり襲ってきやがって!」 ジョシュアもまた、襲い掛かってきた暗殺者と戦っていた。 「しかも・・・つえぇぇ!!!」 暗殺者の剣戟はとても早く、 ジョシュアは相手の攻撃を受けきるので精いっぱいだった。 「私の目標はキミではないのだがな・・・」 「クッ!!フィリア姉さん!!早く逃げろ!!」 そういってフィリアの方を向くとそこには暗殺者に囲まれている フィリアの姿があった。 「姉さん!!!」 思わずジョシュアは叫ぶ。 「あ・・・あぁ・・・」 フィリアは恐怖で動けずにいた。 「余所見か・・・油断しすぎですよ?」 そして暗殺者の剣がジョシュアの体を斬りつける。 「ぐわっ!!」 ジョシュアはそのまま倒れこむ。 「ジョッシュ!!ジョッシュー!!!」 フィリアはジョシュアの名前を叫ぶ。 (くっ!・・・姉さん・・・) (助けなきゃ・・・姉さんを・・・俺が・・・!!) (約束・・・したんだ・・・俺は、姉さんを守るって!!) (だから!!) 「さぁ・・・覚悟するんだな・・・エルフの女よ・・」 「殺すには惜しいな・・・少し楽しんでから殺さないか?」 「ふふふ・・・それはいいな」 「おい!ふざけてないで早く仕事しろ!」 「了解・・・悪いな?エルフ・・これも仕事なんだよ・・」 そしてフィリアの喉元に暗殺者の剣が突きつけられる。 「ジョッシュ・・・ごめん・・・」 フィリアは覚悟を決める。 (ここまでなんだ・・・もっとジョッシュといたかったなぁ・・・) (もっとみんなと冒険したかった・・・もっと・・・もっと・・・) (・・・・ジョッシュ!!助けて!!!) フィリアは心の中でそう叫ぶ。 「じゃぁな?エルフ!!!」 そして、暗殺者がフィリアに斬りかかった。 「フィリア!!!伏せろ!!!」 その時ジョシュアがフィリアに叫ぶ。 直後、フィリアに斬りかかった暗殺者が燃え上がる。 「え!?」 涙を流しながらフィリアがジョシュアの方を見ると そこには左腕から炎を出すジョシュアの姿があった。 To be continued
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