Pink Gerbera 〜& Yellow〜

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てなわけで…俺はあいつの親から知らない方がいいことまで色々教えてもらっていた。 大学生になった時、あいつに「カウント員」になることを勧められた。要は極秘アルバイトである。 カウント員というのは有限数が少ない制限用語を人々が使用したかどうかカウントする(数える)バイトだ。もちろんこれは政治家と関係のある人しかできない仕事なため、他の人に言ってはいけないルールになっている。 …テーマパークで着ぐるみのバイトをしているって友人や家族に言えないのと同じだ。 俺は大学に行くまでの朝の時間を使って駅の待合室に居座りながらお金を稼いでいる。 「有限言語制度」は基本的に町中に設置された特殊機械が人々の会話を聞き取って有限数をデータ化していることで成立しているが、時々機械の故障があるとカウント員を代わりに置く。 機械が聞き取れなかったときのための補助的な要員として人が多い場所に配置されることもある。 俺は人の出入りが激しい駅に配置された。
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