Pink Gerbera 〜& Yellow〜

8/18

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
俺は彼女を目で追ううちに、彼女の純粋で素直なところにどんどん惹かれていってしまった。 彼女は待合室が混んできたら絶対に席に座らないし、何かにつけて「ありがとう」をしっかりと(口パクでだけど)言う。彼女が駅でお年寄りにお手伝いしているところを見たのは1度や2度ではない。 彼女の優しさや礼儀正しさに 俺は引き寄せられるように好きになった。 気づいたときには俺の片思いはもう始まっていた。 そしてある夏の日に彼女のパスケースを再び拾ったのである。 ピンク色でガーベラの模様が描かれていた革のやつ。 ピンク色のガーベラの花言葉は「感謝」である。 ガーベラの花は彼女にとても相応しいような… イメージとよく合っていた。 俺はそれを見て、自分の右腕に浮かぶガーベラのマークもなんだか好きになった。 彼女が2回も落とした、ピンクのガーベラ模様の落とし物は俺たちをつないでくれた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加