毒入りチョコレート2粒

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「俺もいっぱい貰った」 そう言って学校指定のショルダーバッグを開いて中を見せた。確かにチョコレートがいっぱい入っている。 「いっぱい貰ってよかったね」俺は心のこもってない言葉を投げかけてあげた。どんなに沢山のチョコレートより、たったひとつの本命チョコの方が俺には大事に見えた。 今にして思えば、かのちゃんのくれたそのチョコが本命チョコかどうかはわからないけど、とにかく俺はニヤニヤしてたはずだ。 「そのチョコ、俺にも分けてよ」 「え、いやだ」 満が恐ろしいことを言った。大好きな人から貰ったチョコを、大して仲良くないやつと分かち合うなんて絶対イヤだ。 「だいたいそんなことは、くれた人に失礼だろ」 「じゃあこのみっちょんから貰ったチョコを一緒に食おうぜ」 そう言って満は、透明の袋とリボンで可愛くラッピングされたチョコレートを取り出した。『みっちょん』とは満の彼女だ。小学5年生で彼女がいるなんて、同級生ながら生意気だ。みっちょんは誰にでも優しいクラス委員だった。話す機会は少なかったけど、俺にも親切だった。
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