毒入りチョコレート2粒

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毒入りチョコレート2粒

実は毒入りチョコレートを食べたことがある。 ★登場人物★ 園(その):主人公。俺。 満(みち):小学校の同級生。ちょっとだけ意地悪。 あれは小学5年生の時。もう10年以上前。 当時はブルーのシャツに赤いネクタイ、グレーのジャケットというめかし込んだ制服の私立小学校に通っていた。 その日はバレンタインだった。 「チョコ貰ったんだって?」 噂を聞きつけてからかいにきたのは、同級生の満だった。 普段は大して仲良くないのに、みんながいない時に近づいてきて、ちょっとだけ意地悪なことを言う。最初はいじめっ子なのかと思ったけど、暴力を振るわれたり、泣かされたりはしなかった。ただちょっとだけ意地悪。 その日もちょっと意地悪な目をしていた。 「チョコを貰ったんだろう?」 確かに俺はチョコを貰った。しかも俺の大好きな『かのちゃん』という子から貰った。 ブルーのボックスに入ったお洒落な市販のチョコ。 良かった。俺は潔癖症だから、手作りだったらちょっとイヤだった。 「かのちゃんにもらったの?」 「うん。へへへ」
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