不自然な巨岩

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「あれさ、多分転職の神殿とかありそうじゃね?」 (あぁ~んだな。でも俺っちは宿が恋しいっぺよ) 「それは俺もだけど、どっちにしても先に転職だし、それ以前に、このステージで宿は期待できねぇよ」 (諦めんのかっ! もう諦めるのかよ相棒!! お前の想いはその程度なのか! もっと熱くなれよ!)  なぜか激しく気合を入れようとするトンズラ。  こいつがナニをどれだけ期待していたのかは、俺も知ってる。  というか、俺だってめっちゃ期待はしていたさ。  でもさ、現実そんなことを考えている余裕は無い訳ですよ。  こいつは俺と違って心身共に疲れてないからそんなこと言えるけど、俺としてはもはやそんな事よりも、早くあの岩場の蔭で涼みたいというのが本音だ。  だからこそ、ついイラっとしてしまう。
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