不自然な巨岩

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「ふぅ~、大丈夫そうだな。トンズラ、一応ステボに反応があったら教えてくれよ」 (任せとけ、相棒!)  そう言いながら、泉に手を差し入れて水を掬う(すくう)と…… 「冷たっっ!! まじかよ、最高かよ! つか、うまっ!!」  ここの泉の水は想像以上に冷えていて、かつ、美味すぎた。  そのため、掬うのもやめて、顔をそこに突っ込んでガブガブと飲み込む俺。  その姿、もはや獣となんら変わりない。  でも仕方ないじゃん。  砂漠にある泉の水ってさ、ぬるいんよ。  それでも喉がカラカラであれば、最高の恵みと言えるんだけどさ、やっぱ暑いときは冷たい物の方が美味しく感じるじゃん。  この暑くて死にそうになっている中、ようやく涼しいところで一息付けて、そこで更にこれだけ冷たい物を飲めるなら、誰だってこうなるさ。  と誰に言い訳する必要もないにもかかわらず、一人でそんな事を考える俺。
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