不自然な巨岩

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「あぁぁーー! おけ! これ以上ここに居たらダメになる。さっさと中に入るか!」  案の定、俺はトンズラの同意の言葉をスルーして立ち上がった。  もし逆に「何言ってんだよ、行こうぜ」とか言われてたら、こんな風に立ち上がれなかったかもしれない。  そして敢えてスルーしていた巨岩の穴に向かった俺は、早速中に入ろうとするも、見えない壁に阻まれて入れなった。 「なるほどね。この先は別マスってか。次のルーレットを待たないとかな?」 (どうだっぺかなぁ。でも、俺っちの予想では、次のターンは待つ必要はあるけど、中に入るのにルーレットは回さなくていい気がするっちゃ) 「え? なんで?」 (なんとなくだべ。俺っち、曲がりなりにもシステムの一部だっぺさ、だからなんというかそう感じるとしか言えねぇっぺ)  なるほど。  忘れていたわ、そういえばトンズラってここではシステムだった。  んであれば、トンズラの言うことは正しいのかもしれない。  そしてそれは俺にとって僥倖(ぎょうこう)  というのも、この岩場の広さや巨岩の大きさからして、この穴の中がどうなっているか二択だった。  一つは、転職の神殿。  もう一つは、小さなダンジョン。  当然ダンジョンであれば、ルーレットの数字に従って進む訳で、神殿であればイベント場所だろうからルーレットは必要ない。  そうなると、次のターンが来るまで確証はないが、この場所が転職の神殿である可能性が高いと言える。  
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