4647人が本棚に入れています
本棚に追加
/2858ページ
「あぁぁーー! おけ! これ以上ここに居たらダメになる。さっさと中に入るか!」
案の定、俺はトンズラの同意の言葉をスルーして立ち上がった。
もし逆に「何言ってんだよ、行こうぜ」とか言われてたら、こんな風に立ち上がれなかったかもしれない。
そして敢えてスルーしていた巨岩の穴に向かった俺は、早速中に入ろうとするも、見えない壁に阻まれて入れなった。
「なるほどね。この先は別マスってか。次のルーレットを待たないとかな?」
(どうだっぺかなぁ。でも、俺っちの予想では、次のターンは待つ必要はあるけど、中に入るのにルーレットは回さなくていい気がするっちゃ)
「え? なんで?」
(なんとなくだべ。俺っち、曲がりなりにもシステムの一部だっぺさ、だからなんというかそう感じるとしか言えねぇっぺ)
なるほど。
忘れていたわ、そういえばトンズラってここではシステムだった。
んであれば、トンズラの言うことは正しいのかもしれない。
そしてそれは俺にとって僥倖(ぎょうこう)
というのも、この岩場の広さや巨岩の大きさからして、この穴の中がどうなっているか二択だった。
一つは、転職の神殿。
もう一つは、小さなダンジョン。
当然ダンジョンであれば、ルーレットの数字に従って進む訳で、神殿であればイベント場所だろうからルーレットは必要ない。
そうなると、次のターンが来るまで確証はないが、この場所が転職の神殿である可能性が高いと言える。
最初のコメントを投稿しよう!