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「ビ、ビビアン……。なんで?」
意識が戻ったサクセスは、目の前にいる幼馴染の少女を見て呟く。
「当たり前でしょ!! 探したんだからね! なんで私に黙って森に来たのよ!」
傷ついたサクセスを前に、本気で怒るビビアン。
「べ、別にいいじゃないか。俺がどこで何したって俺の勝手だろ?」
「よくないわよ! だってサクセスは……こんなにも弱いじゃない!」
その言葉がサクセスの心を深く抉る
そう、サクセスは弱いのだ。
貧乏農家の三男として生まれ、特別な才能もなければ、力だって強くない。
いつだって今回と同じ様に、幼馴染の女の子に助けられて、その背中の後ろに隠れている。
そんな自分が情けなくて……不甲斐なくて……そして許せなかった。
いつまでもこのままじゃだめだ!
守られているばかりいる奴は男じゃない!
それに俺にはもう時間が無い……。
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