ピース1

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ピース1

暖かい 駅について改札を抜けるとおばあちゃんが待っていてくれた。 おじいちゃんが亡くなってからおばあちゃんは一人暮らしで寂しい思いをしているかもしれないと僕が夏休みの間泊まりに行くことになった。 おばあちゃんが運転する車で家の近くでは見たことがない大きなスーパーに入り何を買ったのか覚えていないが楽しかった。 おばあちゃんと二人だったのだろうか? 他に誰かいたんだろうか? おばあちゃんの笑顔 一旦記憶が途切れ 嫁に貰ってやると言う言葉 さらに記憶が途切れ 白い部屋で目が覚め、心配そうに覗き込む母さんと父さんの顔 あの夏で残っている記憶の断片。 まるでパズルのようだ 嫁発言が周一だとしたら、覆いかぶさるように見えた人影は周一なんだろうか? ズキン ダメだ、あの影を思い出そうとすると頭が痛くなる。 ああ、それにしても暖かいや。 気持ちがいい そろそろ朝かな? 起きなきゃ !!! 目を開けると目を瞑っていてもイケメンだとわかる端正な顔が目の前にある。 しっかりとホールドされ、腕の中にすっぽりと収まっていた。 置かれている現実に戸惑いつつも誰かの腕の中がこんなにも暖かいものだとは知らなかった。腕の中は暖かくて安心する。セックスしたりするのも、こう言うことなんだろうか? した事はないけど。 キス・・・気持ちよかったな 眠る周一の唇を見つめながら、キスしたんだよな。 ファーストキスだったけど・・・ あれ? ファーストキスなのかな? なんだか周一と会ってから記憶がおかしい。 ぼんやりと周一の寝顔を眺めていると 「なに?またキスしたい?」 「えっ!別に!てか、僕の記憶のない部分を知っているのか?」 「う〜ん」 考えているのかと思いきやいきなりキスをしてきた、ベッドの中だと思うとさっきよりもドキドキする。 そのまま抱きしめられると腕の中にすっぽりと収まってしまった。 「人間の脳はすごいよね」
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