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7 僕のかえるくん
僕のかえるくんは少し離れ気味の目と平ぺったい顔と黄緑色の物を好んで身に着けている。高校生になった今も小さくて可愛いくて、曲がった事が大嫌いで恰好いいのに、ちょっぴり自分に自信がなくて。そんなところは僕と同じ。
かえるくんは自分のことを情けないやつって言うけれど、それでもやっぱり僕にとってお姫さまでヒーローで、世界で一番大切な存在なんだ。
「かえるくん」
僕がそう呼ぶと、
「なんだよ」
って照れくさそうに答えるかえるくん。そして呼ばれると、僕の一番好きな笑顔で嬉しそうに笑うんだ。
「だーい好き♡」
さらに真っ赤になって視線を彷徨わせるかえるくん。あの時はあんなに不安だったかえるくんの反応だけど、今はもう分かってるから。僕はかえるくんを見つめる。
「──俺……も……す……き」
そうしたら俯くけれど、俺も好きってかえるくんは返してくれるから。僕はもうかえるくんの気持ちを疑ったりしない。かえるくんは僕のことが好き。僕はかえるくんのことが好き。
かえるくん、ずーっとずーっと一緒にいようね。
-終わり-
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