うどん(昼メシ)

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うどん(昼メシ)

じいやが運転する車に乗り、ついたのはなんともいえないいい匂いが漂う店だった。 「ここはなんですの? 」 「ここは、丸亀製麺ですね。株式会社トリドールホールディングス傘下で、うどん専門の飲食店をやっています。丸亀製麺の極太麺は、普通では味わえない『丸亀食感』と言われることがあります。豆知識ですが、日本の丸亀製麺では、看板に『MARUGAME』と書いてあるのですが、海外では『MARUKAME』と表記しているそうです。理由は、海外だとMARUGAMEが『マルゲーム』と読めてしまうので、ゲーム屋さんと思ってしまう方が多いのだそう」 「確かにそうですわね......」 「では、入りましょうか」 店内は麺のよい香りが充満しており、ほどよく空腹を誘う。 トレイをとれい。などとオヤジギャグを言っている場合ではない。更に皿をとろうとも言っている場合ではない。とにかく早くうどんが食べたいのだ。 普通のざるうどんにしたため、つけるものに工夫が必要だ。 まずはちくわ。大人気の天ぷらだ。皿にやっと収まるほどの大きさで、ボリューミーである。 次にイカ天。これまた大人気天ぷら。ちくわと同じぐらいのボリュームであり、こういう系の食レポであってはならないリアクションをしてしまいそうになる。とっても美味しそうである。 そして玉子。かぶりついたらどうなるかの検証である。 以上三点。作者が思うに最強の丸亀ざるうどんセットである。 うどんをのせて席につく。涼しげなざるが、また食欲を刺激してくる。 実食。まずうどん本体。信じられないぐらいの極太麺で、箸をもつ手が震えてしまうぐらいだ。 つゆにつけて、ズルズルっと流し込む。まるで液体のようにさらさらでツルツル。一口に収まりきらないほどの大きさで、噛むのが大変である。 その分、旨さは段違いだ。そんじょそこらのうどんなんか比にならないモチモチ食感。つゆが混ざりあい、更に旨さを増す。 サクサク、サクサクと待っている天ぷら達を、一口ずつ食べて、感想を言わせていただこう。 ちくわ。旨い。イカ。旨い。玉子。旨い。 失礼。あまりの旨さに語彙力が玉子の黄身のようにとろとろと流れていってしまったようだ。 次は天ぷら達をつゆに溺れさせる。衣につゆを染み込ませ、口に招き入れる。 ジュワッとあふれでるつゆと旨味。口の中でダムが決壊したのではないか、もしくは大洪水が起きたのではないのかと思うほどの大災害であった。 それらの余韻を感じとりながら、麺を丁寧に一本ずつ食べ、別れを告げる。 「おいシィイイイイイイイイい!!!! 」 -数分後- 「はあ、はあ、顎が疲れるほどの激しいおうどんでしたわ。これは美味しい」 「しかし、このうどんもまだまだ登竜門。庶民メシ界の竜となりましょうぞ! 」 「ええ!! 」 いくぜ庶民メシ!! やるぜ庶民メシ!! そして作者は失踪しません! しかけてたけど......でもちゃんと書いたから見逃してぇ。
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