冷たい彼との物語

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『次、同じ部屋で寝たら我慢しないから。それは今から覚悟しとけ』  あまりにもパワーワードが並んでいて、私は絶句する。  そして少しして、やっと吐く息とともに、なにそれ……、とつぶやいた。  そういえば昨日の夜、どさくさに紛れて告白されたことを思い出して、ズルズルとその場に座り込む。  どうすればいい? あの冷たくて優しい人と、これから先、何かあるのだろうか。  落ち着かない気持ちを押し込めるように、私はゆっくりと立ち上がると、テーブルの椅子に座る。そして、机の端にあったパソコンを開いて息を吸う。 ―――次は、冷たい医師と患者との物語はどうだろう。  私は自分の気持ちを確かめるように、キーボードをたたきだした。 <END>
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