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「私、もう、結婚するしかない」
潤んだ目で、美園は小さく呟いた。
小谷はきっと、神様から自分へのプレゼントなのだ。
見た目も性格も良い公務員。
彼なら、きっと自分を幸せにしてくれる。天野の身に付けていたダイヤのネックレスみたいな品を、彼ならプレゼントしてくれるに違いない。
蜘蛛の糸にでも、すがり付きたくなるような思いで、美園は小谷を思い浮かべた。
人生の逆転。母を黙らすにも、私は結婚しなくてはならない。そして、年齢的にも、子どもを産めるのは、ここ数年がチャンスだ。
美園は祈るように、手を胸の前に合わせた。そしていつしか、疲労からそのままベッドで眠りに着いた。
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