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「え?そうなんですか?てっきり同じくらいかと!」
「もう。お上手ね!小谷先生は、おいくつなんですか?」
「今年、29になりますよ」
「まぁ。やっぱり、お若い」
でも。自分は、そんな若く良い男に、チヤホヤされている。そう考えると、高まった。
小谷は背こそあまり高くなかったが、スタイル良く姿勢も良いため、シルエットが美しい。
着ているシャツもパリッとしていて、似合っているし、手首の時計はオメガ。お洒落で、身なりに金を掛けるタイプなのだろう。
美園は、小谷の顔の良さに改めてウットリした。
白い肌は陶器のように滑らかだし、スポーツ刈りのヘアスタイルも小顔だから、見劣りしない。
形良い鼻と色素の薄い目のお陰で、小谷はハリウッドスターのようにも見えた。
本当に綺麗な男。肥満体型の自分より、明らかに体重も軽いが、確か聞いたことがある。痩せた男の中には、一定数、美園のように脂肪をタップリ着けたルーベンス風の女性の好事家がいるらしい。 小谷も、そのクチなのやもしれぬ。
美園は生まれてはじめて、自分のたわわな脂肪達を誇らしく思った。
「図書館にも、沢山遊びに行かせて下さいね。もっと、色々お話したいですから」
「えぇ。勿論ですわ。お待ちしております」
飲み会なぞ、金と時間の無駄だと思っていたが、小谷のお陰で、あっという間にお開きの時間となった。
楽しい時間は、足早に過ぎていくというのは真実なのだ。
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