1-2 「久々の恋」

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「え?そうなんですか?てっきり同じくらいかと!」 「もう。お上手ね!小谷先生は、おいくつなんですか?」 「今年、29になりますよ」 「まぁ。やっぱり、お若い」 でも。自分は、そんな若く良い男に、チヤホヤされている。そう考えると、高まった。 小谷は背こそあまり高くなかったが、スタイル良く姿勢も良いため、シルエットが美しい。 着ているシャツもパリッとしていて、似合っているし、手首の時計はオメガ。お洒落で、身なりに金を掛けるタイプなのだろう。 美園は、小谷の顔の良さに改めてウットリした。 白い肌は陶器のように滑らかだし、スポーツ刈りのヘアスタイルも小顔だから、見劣りしない。 形良い鼻と色素の薄い目のお陰で、小谷はハリウッドスターのようにも見えた。 本当に綺麗な男。肥満体型の自分より、明らかに体重も軽いが、確か聞いたことがある。痩せた男の中には、一定数、美園のように脂肪をタップリ着けたルーベンス風の女性の好事家がいるらしい。 小谷も、そのクチなのやもしれぬ。  美園は生まれてはじめて、自分のたわわな脂肪達を誇らしく思った。  「図書館にも、沢山遊びに行かせて下さいね。もっと、色々お話したいですから」  「えぇ。勿論ですわ。お待ちしております」  飲み会なぞ、金と時間の無駄だと思っていたが、小谷のお陰で、あっという間にお開きの時間となった。  楽しい時間は、足早に過ぎていくというのは真実なのだ。
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