第2章 新しい生活

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第2章 新しい生活

充さんのマンションで寝泊まりするようになって三日後、休暇を使い切った私は会社へ出るため久しぶりの早起きをした。  身支度を終え、二人分のお弁当を作り、軽めの朝食を摂っていると、充さんが起きてきた。 「おはよう。今日は早いね! あ、そうか。今日から会社だったっけ?」 「あ、おはようございます。はい今日から仕事です! あ、充さん、朝ごはんトーストでいいですか? お弁当も作ってみました。いりますか?」 食べかけのトーストを一気に口に放り込み私は食パンをオーブントースターに入れ、ついでに即席のスープにお湯を注いだ。 「わざわざお弁当作ってくれたの! ありがとう。いただくよ。でも、時間大丈夫?」 「はい、実は充さんの家からの方が会社に近いんです。ざっと十分ぐらい余裕ができましたよ」 「そう、良かったね。じゃあ、後は僕がやるからしほりさんは暫くゆっくりしていいよ」 そう言いつつ充さんは席を立ち、私が持っていたトーストとスープを受け取り、私を席に着かせてからコーヒーを淹れた。 「あ、そろそろ行かないと」 リビングの時計を見て立ち上がった私は残りのコーヒーを飲み干しバッグを肩にかけた。 「いってらっしゃい、気を付けて」 「はい、行ってきます。充さん、お弁当忘れないでくださいね」 頷いた充さんに手を振って、私は久しぶりの会社に向かった。デスクにバッグを下ろし、部長に挨拶と報告を終えると、真っ先に奈々枝が話しかけてきた。 「しほり、大丈夫? 大変だったね」 「ありがとう、ごめんね迷惑かけて仕事大丈夫だった?」 「大丈夫! なんのために私がいると思ってるのよ!」 不安そうに聞いた私に奈々枝は胸を張って答えた。 「さすが! やっぱり企画部のエースは違うねぇ」 「でしょ、だから今度何かおごってよ」 「了解!」 「さてと、今日も元気に仕事するよ!」 極力普段通りに接してくれる奈々枝に心の中で感謝しつつ、鼻息荒く私の肩を叩きデスクに戻って行く彼女を見届け、久しぶりの仕事を始めた。  一週間分の仕事と、引継ぎなどであっという間に昼過ぎになり、奈々枝に呼ばれ食事を摂った。 「お、しほり! 今日はお弁当なんだね!」 「うん、時間的に余裕があったし、ついでだったから」 「なに? ついでって?」
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