追  憶

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追  憶

 祖父は旅行などしない人だった。  「面倒だから」  笑ってたけど  ある終戦記念日の夜、  「何処に行ってもそこは   無念に眠る人の上だから」  そう漏らした。  戦後処理で内外を廻る仕事で  祖父は拭えない悲惨を  足裏に刻んだのだ。            ◆ 2018 7月        『 眠る 』      
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