フラウリー

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 学校はスクールバスが最寄りの駅まで出ている。ここは群馬県なので交通の便が悪い。シルバーに赤いラインが入ったバスに乗ると二人掛けの椅子に並んで座った。いつもこうしているので違和感はない。  プシューっとバスがドアを閉めた。学校から発車して、暫くは群馬県の田舎町の景色が続く。駅の近くに来ると商店街になる。希美は熱帯魚屋さんを見つけた。 「魚の餌を買って行こうか?」 「ああ、そうだな。少し高いものを買おう。いつもは金魚の餌なんだよ。ホームセンターで買うと安いんだ」  健斗はそう言って苦笑した。  バスが駅に着く。少し引き返して熱帯魚屋さんに行った。店員はハーフのチノパンにスゥエットだ。店の名前が入ったエプロンをしている。
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