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いただきます。口を付けたら、ジューシーなささみの旨みが口いっぱいに広がる。一気にお腹が空いてきて、あたしは夢中でささみを食べる。
「何食おっかなー。とりあえずビール呑むかぁ」
知哉は缶ビールを持ってきて、食べてるあたしの隣にしゃがみ込む。
「美味いか?」
美味しいわよ。でも、あんたに返事してる暇はないわ。
「そうか、美味いか」
いつものようにビールを呑みながら、食べてるあたしを眺めてる。
ほんとに寂しがり屋。仕方ないわね。
「飯食ったら、ブラシしてやるな。冬毛抜けてきたもんな」
そうよ。あたしをちゃんと綺麗にしなさいよ? あたしだって毛玉吐きたくないわ。
知哉のブラッシングは気持ちよくて大好き。
だから、ちょっとくらい間抜けなのは許してあげるわ。
あと一口残して、知哉の顔を見る。
やだもう、締まりのない顔。可愛いんだから。あたしのこと好きすぎるわよ。
あとであたしも、あんたの毛繕いしてあげるわね。
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