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知哉はあたしを抱いたまま、あたしの食事が入ってる引き出しを開ける。
「はな、どうする? 缶にするか?」
いいわね。カリカリが続いてたからちょっと飽きてたの。引き出しを覗き込むと、3つ入ってる缶のラベルを見せてくれる。線がゴチャゴチャ描いてあるけど、それだけじゃ何だかわからないわ。
「ささみと、ほたてと、白身魚」
あたしが好きな物はよくわかってるから、好きな物しかないわね。どれでもいいわよ、って返事をしてあげるとささみの缶を手に取って、あたし専用の可愛いピンクのお皿を棚から取り出す。
「ちょっと待ってな」
そう言って、あたしを床におろす。あたしは知哉が缶を開けてるテーブルに飛び乗る。せっかく帰ってきたのに、床に下ろすなんてどういうことよ。失礼ね。
「慌てんなって」
知哉が缶を開けて、お皿に中身を出す。とってもいい匂い。スプーンで缶に残ったのも取り出して、塊になっているささみをほぐしてくれる。そうすると、もっといい匂いがして来るから、首を伸ばして匂いをかぐ。
「まだだぞ? あっちでな?」
お皿を手にした知哉が、あたしの顔を覗き込むから、ちゅっとキスしてあげる。
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