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「なぁブリ男。お前ん家ってgiantがいるってホントか?」
ブリ男の友達のちゃばねんが尋ねる。
「そうなんだよ。うちにgiantがいて、出くわすと殺されそうになるんだ」
ブリ男は体を振るわせた。
ブリ男が今住んでいる家にはgiantがいる。しかもそれが何体もいるのだ。そいつらの目につかないように密やかに行動をしなければ、命の保証はない。
そんな危険を冒してまで、なぜその家に住み着くのか。それは簡単だ。生きていくのに不自由しないからだ。
食べ物も飲み物もふんだんにある。苦労したことなど一度もない。
ちゃばねんは人気のない所を選んで住んでいるが、食料に困る事があると言っていた。自宅にないようであれば外に出かけるしかない。
しかし物騒な世の中なモノで、先日仲間の父親が道で殺された。彼は誠実だった。悪いことなどした事が無かったのではないだろうか。恨みをかうような事は考えられない。それなのにたまたま出くわしたgiantに殺された。即死だった。有無を言わさず手を上げられたという目撃情報だった。
こんな物騒な世の中だ。出来るだけ出歩かない方がいい。気晴らしに出かけた散歩で命を落としたとなっては報われない。
「今度お前ん家行ってもいい?」
ちゃばねんは聞いた。
「もちろんいいよ。でもちゃばねんっ家みたいに自由に動き回ると、ヤツにみつかるからな。見つかったらどうなるかわかるか」
ちゃばねんは首を潜めた。
答えなくても理解はしているようだ。
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