ONLY LOVE

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「ににににににった?!」 「俺も結構汗かいてんだよねー。飯、殆ど用意できたから、食う前に俺も汗流したい」  待ってくれ。心の準備ができていないぞ。  と焦る野代にお構いなく、新田は洗濯機に服を投げ込むとがらりと扉を開けて入って来た。 「おっじゃまっしまーす」  野代にとっては生唾ものである新田の生まれたままの姿。  ふふふんと鼻歌なんかを歌いながら、新田はシャワーを浴び、手早く身体を洗い流す。  そう、まるっきり野代の姿なんぞ視界に入っちゃーいない。 「最近あったかいじゃん? 部活やったら汗まみれになるよなー?」  湯気の立ち上る風呂場で、泡にまみれた身体を惜しげもなく晒す新田に、野代は欲情せずにはいられなかった。 「げ、の、野代っ? おまえ、大丈夫か?」  そんな頭に血の上っている野代に、新田は焦って近付いてその手を伸ばす。 「新田!」  思わず野代は新田に抱きついた。 「何やってんだ、ばか! おまえ、のぼせるまで入ってんじゃねーよ。ほら!」  そう。  新田にとって野代のその行動はただ寄りかかっただけとしか考えられなかったのである。  なぜなら野代の鼻からは赤い血がつつーと一筋流れ出ており、元気になっている野代の下半身よりも先に、新田の意識は完全に野代の鼻血へと集中したのだ。 「ほらほら、いいから横になれ。ああ、でも鼻血飲んだら気持ち悪いだろ? 吐き出せよ?」 「え。あ…………うわ、鼻血だ!」 「おまえ、反応鈍すぎ。ほら、大丈夫か?」  広い家らしく風呂場も当然広いもので、百九十を超える長身の野代が横になっても全く問題なく、新田は甲斐甲斐しく野代の頭を膝に乗せて鼻血の処理をした。  が、タオル一つを腰に巻いた新田の姿は、それはそれで今の野代には十分な刺激であり、そんな新田に膝枕なんてされたものだから鼻血が止まるはずもなく。
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