968人が本棚に入れています
本棚に追加
/153ページ
生まれてこの方三十年。
誕生日よりも、クリスマスよりもお正月よりもバレンタインよりも楽しみな一大イベント!
新刊発売!
小走りになりそうになりながら、私は本屋へ突撃した。
本屋へ到着し、寄り道することなくカウンターへ一直線。
「予約をしていた水谷です。」
「えっと、『神様なんて信じない』三巻予約の……水谷早苗さんで間違いありませんか?」
メガネをかけた、いかにも書店員さんといった感じの女の人が、レジの下から取り出した申込み用紙を確認しつつ、丁寧に対応してくれる。
「はい。間違いありません」
カウンター後ろの棚から、待ちに待った『神様なんて信じない』の新刊を店員さんが手にして、私の目の前へ。
あぁ…、早く読みたい…。
浮足立ってしまう気持ちをおさえ、お会計をし、店員さんから新刊を受け取った。
手に入れてしまえばこちらのもの。
続きが読みたくてたまらない。
家に帰るまでなんて待てない!
よしっ!
寄り道決定!
全く迷うことなく寄り道することを決め、私は本屋さんから出た。
この本屋さんの近くにある全国展開の某喫茶店。
そこで飲み物でも飲みながら拝見させてもらいましょう。
私はしっかりとした足取りで目的地となった喫茶店へ。
席に着き、コーヒーと甘いものを一品すぐさま注文。
そして、わくわくしながらお待ちかねの新刊をバックから取り出した。
『神様なんて信じない』
主人公は異世界へ召喚されてしまった女子高生。
最初のコメントを投稿しよう!