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「まあ、書類はは明日でも問題ないから、俺は明日にするよ。……でも、君はそういうわけにはいかないんだろう?」
「わかってるなら聞かないでください…。」
何を考えてるのかわからないけど、男の人は端正な顔でニヤリと笑った。
……なんでそんな風に笑うかな?
嬉しそうともとれそうな口元が妙に癇に障る……。
どこのどなたか存じませんが、早くどこかへ行ってくれないかな…。
かっこいい人なのかもしれないけど、あくまでかっこいいだけで、ただの同じ会社で働いている知らない人。
お近づきになりたいという感情なんてない。
とんでもない状況ではあるけれど、だからといって親密になったわけでも、特別な間柄になったわけでもない。
妙に居心地が悪い。
この人が立ち去らないのなら、自分がこの場から離れようと思い立った時たった。
「せっかくだ。近くで飯でも一緒に食べないか?俺、飯まだなんだ。」
……はい?
一緒にご飯って……
この人、この状況で何言ってんの?
新手のナンパ?
ご飯は口実で、どこかに連れ込むつもりじゃ……
今も聞こえ続ける嬌声と卑猥な音で下心が芽生えた?
「……もし夕食食べたんなら、飲み物だけでも。……この状況、正直気の毒だし。それに、これも何かの縁だ。一人でファミレス行くくらいなら、話し相手になるよ。営業なんてしてるから、いい話し相手になれると思うな。それに、アレが終わるまでのいい時間潰しになるとは思うけど。……どう?」
名案のようにも聞こえるけど……
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