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おまけ
「なんだか水谷さん、楽しそうですよね。いいことあったんですか?」
マーケティング部
隣の席の可愛い後輩、原さん。
どこかの二人組とは違い、TPOをわきまえた上で発揮されてる不快感を感じない女子力。
……正直、見習いたい。
私と原さんのどっちが好み?って質問したら……
十人中十人は原さんって言うんじゃないんだろうか?
そんな彼女がニッコリと微笑みながら私に「どうなんですか?」なんて肘でグリグリしてくる。
「……まぁ……ね。」
真鍋さんのことが頭に浮かび、クスっと笑みをこぼしてしまう。
「……それより……」
私は自分と原さんのデスクの上に積み上がった書類の山へ目を向けた。
……私がいなかった二週間……
たった二週間でこんなに仕事が溜まるもの?
「気合い入れないと、終わんないよ?」
「……この二週間で水谷さんの偉大さを実感しました……」
遥か遠い先へ視線を向けている原さん。
……この、二週間、何があったの?
朝、マーケティング部のオフィスに入った瞬間の殺気立った雰囲気と、私の出勤を確認したみんなの安堵した表情。
「女神が帰ってきた……。さっそく今日の昼に使う資料、誤字脱字のチェックして、二十部作って欲しい。」
なんて仏のような野村部長に拝まれつつ、急ぎの仕事を頼まれ……
「水谷さん……このデータ、グラフ化して私のパソコンに送ってほしいんだけど、今日中に出来そう…?」
なんて、次から次へと仕事が舞い込んでくる。
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