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いつものように、私は付箋をフル活用。
急ぎは柄のないノーマル付箋、今日中は百円均一でまとめ買いした柄付きの付箋。
急がないものはアニメのキャラクターの付箋。
デスクに座って、一通り机の上の仕事たちに付箋で優先度をつけて、急ぐものから片付けていく。
たくさん仕事があるせいか、いつも以上に集中して仕事をこなし、憩いの昼休憩も終わった昼下がり。
遠い目をしたままの原さんは、ふぅ……とため息をつき、自分のパソコンへと向き直った。
「……水谷さん見習って、私もがんばります。」
言葉とは違って、表情はくたびれてる。
……まぁ、若いんだから、苦労は買ってでもしたほうがいいよ。
後から自分の糧になるからね。
私はフッと微笑み、原さんと同じ様にパソコンへと向かい合う。
集中してパソコンに向き合い仕事をすすめ……
「……よしっ…と。」
私はデータを保存し、んーっと座ったまま背伸び。
ぐーっと伸びる背中の筋肉や筋の感覚。
あー、けっこう凝り固まってるな。
背伸びしたあと、またパソコンへと次の仕事をしようと向き直ったときだった。
「早苗、おつかれ。」
背後から声がし、声と同時に机の上に何か置かれ、抱かれるように肩に手をまわされた。
どきんっ!
胸が大きく跳ねる。
置かれた物を見ると、可愛らしい蜂と牛のイラストに、『はちみつたっぷりカフェオレ』の文字が手書き風にデザインされたカフェオレ色の容器。
「あっ!」
こっ、これは!
美味しいやつ!
……後ろに誰がいるのかはわかってる。
そっと振り返ると、そこには思った通り柔らかく微笑む真鍋さん。
はうっ……
切れ長な瞳に、クールな印象を受ける顔立ち。
かっこいい……
かっこよすぎて、胸の鼓動が一気に速まった。
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