997人が本棚に入れています
本棚に追加
「真鍋さん……」
嬉しくてニコッと微笑むと、真鍋さんも嬉しそうに微笑んでくれる。
「それ、気に入ってただろ?」
「うんっ!」
「仕事しながらでも飲んで。……で、飴ちゃんちょーだい。」
いつもの調子で飴ちゃんをちょうだいと真鍋さんは口にした。
「ちょっと待ってね。」
私は引き出しから大臣の木箱を取り出し、はちみつの飴ちゃんを二個取り出し、真鍋さんがぱっと広げた手のひらにそっと乗せる。
「早苗、サンキュ。」
そしてその場で一個口にし、ニコリと笑みを浮かべた。
そんな私達の様子を見ていたらしい原さんが「あの……」と、おずおずと声をかけてきた。
「原さん、どうしたの?」
「えっと……、水谷さん…、もしかして……真鍋さんと……お付き合いなんて……してます?」
…ん?
何も原さんには話してないのに、なんで分かったんだろ?
「縁があって、先日から……な。」
原さんの質問にサラッと嬉しそうに、目を細めながら答えた真鍋さん。
はぅっ!
その細めた目、その表情、素敵……!
「み、み、水谷さん!?本当ですか!?」
「……えへへ。本当よ。」
ヘラっとニヤけてしまう。
別に隠す必要もないし。
………ただ、他人に指摘され、それを認めるって、なんだかソワソワして落ち着かない。
「ついに水谷さんに三次元の恋人が…!水谷さん、お祝いするから、飲みに行きましょう!」
「えっと……」
今日は真鍋さんのところに泊まりに行く予定。
どう断ろうかと考えていると……
最初のコメントを投稿しよう!