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はじまり
ぴぴぴぴ……
セットしていたスマートフォンのアラーム。
「……ん。」
時刻は六時。
「ふぁ……」
私はあくびをしつつ、ベッドから起き上がった。
寝起きは悪くない。
洗面所で顔を洗って、ぱぱっとナチュラルな手抜きメイクをしたら、その足で玄関真横の小さな台所へ。
シンク下の戸棚からインスタントのカップスープを取り出し、ポットからお湯を注ぐ。
出来上がりを待っている間にインスタントのコーヒーも作って、カップスープと共に布団をかけていないこたつの上へ。
独り暮らし用のバス、トイレ、キッチン、洗面所完備した一部屋だけのアパートの一室。
狭いとは思うがすべてに手が届くこの空間が私は気に入っている。
テレビのスイッチを入れ、ニュースを見つつ、出来上がりの時間がきたらカップスープを口にする。
カップスープを飲み終わったら、仕事へ向かうため、寝間着からキレイめを意識した服に身を包み、寝癖のついたロングヘアを温めたヘアアイロンでそれなりに整え、頭の後ろでひと括り。
壁にかけているカレンダー。
今日のところには赤い花丸。
私が今一番ハマりにハマっているマンガ『神様なんて信じない』の発売日。
ファンタジー要素の強いマンガで、恋愛要素あり、戦闘要素あり、お笑い要素あり。
登場するキャラ達の個性も強くて、それなりに人気のある作品だ。
……人気と言っても、テレビでガンガン紹介されるほどの知名度はないけど、遅かれ早かれアニメ化されると私はふんでいる。
こんな大切な日に残業なんて絶対しちゃいけない。
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