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その頃、刀鬼たちサイドでは…!
刀鬼「…!」
俺「どうした…?」
俺は刀鬼が喋らずとも、
自らの手足がいつもと全く違う、
という違和感を感じていた。
刀鬼の後ろにある、倒壊しかけの
ボロボロなビルの窓を見て、
即座に臨戦体制になった。
しかし、俺はその直後、理解した。
俺の手足が、奇獣化しているんだ。
刀鬼「セン…パイ?」
俺「…………」
不気味な沈黙が続いた。
低いエンジン音が聞こえる。
ヘリだ。
刀鬼「センパイ……なんですよね?」
俺「あぁ……そうだ」
刀鬼「どうしたんですか…その手足
トイレから帰ってきた時から
何かおかしかったけど…」
ドクン、
刀鬼「…!」
俺「………!」
俺たちは、言葉を失った。
見なくても、感覚がそう言っている。
戻ってる…!
みるみる肌が元に戻っていく。
それが逆に恐怖を増幅させる。
なにかが心の中に渦巻く。
恐怖と不安と安堵が一気に襲う。
どうしたらいいのか分からず、
お互い黙りこんでしまう。
ヘリコプターのエンジン音だけが、
大きく音を立てて響いている。
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