緊急事態

2/2
前へ
/4ページ
次へ
その頃、刀鬼たちサイドでは…! 刀鬼「…!」 俺「どうした…?」 俺は刀鬼が喋らずとも、 自らの手足がいつもと全く違う、 という違和感を感じていた。 刀鬼の後ろにある、倒壊しかけの ボロボロなビルの窓を見て、 即座に臨戦体制になった。 しかし、俺はその直後、理解した。 俺の手足が、奇獣化しているんだ。 刀鬼「セン…パイ?」 俺「…………」 不気味な沈黙が続いた。 低いエンジン音が聞こえる。 ヘリだ。 刀鬼「センパイ……なんですよね?」 俺「あぁ……そうだ」 刀鬼「どうしたんですか…その手足    トイレから帰ってきた時から    何かおかしかったけど…」 ドクン、 刀鬼「…!」 俺「………!」 俺たちは、言葉を失った。 見なくても、感覚がそう言っている。 戻ってる…! みるみる肌が元に戻っていく。 それが逆に恐怖を増幅させる。 なにかが心の中に渦巻く。 恐怖と不安と安堵が一気に襲う。 どうしたらいいのか分からず、 お互い黙りこんでしまう。 ヘリコプターのエンジン音だけが、 大きく音を立てて響いている。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加