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71-2.☑
義仁は若林に相談していた手前、付き合い始めたことは簡単に
報告してはいたのだが、自分の気持ちの中で劇的変化が生まれ
ものすごく都眞子のことを好きになっていった経緯までは
照れくささもあって何も具体的なことは話していなかった。
ともあれ、若林は若林で友人の義仁の再婚が上手くいくよう
見守ってきたのだった。
都眞子は義仁の当初の様子を酷く気にしているようだが
今上手くいっているのなら、気にする必要はないのにと若林は思った。
そしてそう思いつつ、都眞子に押し切られる形と勢いで
話してしまったけれど・・少し落ち着いたところで考えてみても
やはり都眞子の真意が分からないままで・・
はて?
今好き合って両家の両親たちからも祝福され、順風満帆なんだろう?
俺の話した何かが原因で結婚を止めてしまうことなんてない・・よな?
何がなんだか分からないまま、話してしまったけれど、一連の流れを
何度か繰り返し思い起こしてしていくうちに、若林は一抹の不安に
駆られるのだった。
やはり、若林にも微妙な乙女心というか、機微は判らなかったようだ。
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