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"Time travel タイムスリップ 25"
~ 都眞子のこと18~
土筆くんに告白された日の2日後、私は久しぶりに大を連れて
義兄の家へ送迎した。
「とまちゃん、どこか体調でも悪かったの? 」
暫らくぶりに会う義兄はそう話しかけてきた。
「あ、そういう訳じゃないんですけどちょっといろいろ
考えることがあって・・大を寝かしつけた後でお話があります」
「そう、判った。
じゃあ今日は大を早く寝かしつけないとね」
ご飯はもうすでに我が家で食べさせていたので
お義兄さんがすぐにお風呂を沸かして大を連れて入った。
ふたりが楽しそうに入浴している間・・
ひとり取り残された部屋で私は、どんなふうに義兄に話を
持ち出そうか、考えていた。
お義兄さんは私の申し出を聞いてどんな風に反応するだろうか、と
どんどん心臓の鳴る音が大きくなってきて、義兄と対峙することが
怖くなってきた。
けじめだから、
両親から断ってもらうという方法もあったけれど、けじめは自分で
つけないとという気持ちが勝(まさ)っていたので、私は会わないと
決めていた義兄の家へ来たのだった。
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