Wedding Bouquet ウエディングブーケ -22-

1/194
前へ
/194ページ
次へ
--You have to realize the blue bird of happiness is always in front of you.-- 幸せの青い鳥は目の前にあるってことに気づかないと・・。 時間軸---都眞子が結婚間近な頃 長山 都眞子(ながやまとまこ)        事務方   32才 長山佐和子(ながやまさわこ)        母       56才 長山敏夫 (ながやまとしお)        父       62才   都眞子の職場の先輩 土筆 眞  (つくしまこと)         建築技師    34才   安倍 義仁(あべよしひと)        研究職       44才 美保子 (みほこ)          生存していれば   39才 安倍 大 (あべだい)           息子    9才  若林 隼人(わかばやしはやと)義仁の同僚  研究職        44才            ◇ ◇ ◇ ◇ 1.❧ " Memories 回顧録1 "  私にとってその義兄(ひと)は、あまりに遠い人だった。                     ◇ ◇ ◇ ◇  安倍義仁との出会いは、姉の婚約者として彼が我が家を訪れた日。 それが私と義兄との初めての出会いだった。  学生で当時21才の私からみると、一回りも離れた義兄は、 ひどく大人に見えた。    美人でスレンダー、頭脳明晰ときて、容姿にそぐった性格も 持ち合わせていて、姉は実に社交的な人だった。  そんなだから幼少の頃から姉の周りには男女問わず、いつも周りには 人がたくさんいた。  両親から見ても鼻が高い娘だったと思う。  私の両親は、だからと言って幼少の頃より私を蔑ろにしたり 馬鹿にすることはなく可愛がって育ててくれた。  ……なので、私は姉を妬んだりすることなく大人の入り口まで 歩むことができた。  結婚も、これが姉妹の歳の差が2~3才違いだとかだったら なかなか私だけ嫁に行けないとかなんとか、いろいろと心悩まされる こともあったかもしれない。    例えば、どうして私は美人に生まれなかったのだろうか……とか。  けれど私は姉とは7才も離れていたせいか、姉の結婚に関しても 何も思うことなく祝福することができた。  彼らは誰もが羨むほどの美男美女のカップルで、すべからく順風満帆で 2年後には待望の子供にも恵まれた。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

158人が本棚に入れています
本棚に追加