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--You have to realize the blue bird of happiness is always in front of you.--
幸せの青い鳥は目の前にあるってことに気づかないと・・。
時間軸---都眞子が結婚間近な頃
長山 都眞子 事務方 32才
長山佐和子 母 56才
長山敏夫 父 62才
都眞子の職場の先輩
土筆 眞 建築技師 34才
安倍 義仁 研究職 44才
美保子 生存していれば 39才
安倍 大 息子 9才
若林 隼人義仁の同僚 研究職 44才
◇ ◇ ◇ ◇
1.❧
" Memories 回顧録1 "
私にとってその義兄は、あまりに遠い人だった。
◇ ◇ ◇ ◇
安倍義仁との出会いは、姉の婚約者として彼が我が家を訪れた日。
それが私と義兄との初めての出会いだった。
学生で当時21才の私からみると、一回りも離れた義兄は、
ひどく大人に見えた。
美人でスレンダー、頭脳明晰ときて、容姿にそぐった性格も
持ち合わせていて、姉は実に社交的な人だった。
そんなだから幼少の頃から姉の周りには男女問わず、いつも周りには
人がたくさんいた。
両親から見ても鼻が高い娘だったと思う。
私の両親は、だからと言って幼少の頃より私を蔑ろにしたり
馬鹿にすることはなく可愛がって育ててくれた。
……なので、私は姉を妬んだりすることなく大人の入り口まで
歩むことができた。
結婚も、これが姉妹の歳の差が2~3才違いだとかだったら
なかなか私だけ嫁に行けないとかなんとか、いろいろと心悩まされる
こともあったかもしれない。
例えば、どうして私は美人に生まれなかったのだろうか……とか。
けれど私は姉とは7才も離れていたせいか、姉の結婚に関しても
何も思うことなく祝福することができた。
彼らは誰もが羨むほどの美男美女のカップルで、すべからく順風満帆で
2年後には待望の子供にも恵まれた。
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