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75-2.
その日の土筆くんが私にくれた好きだの3文字は、私のハートを
どキュンと射抜いたのだった。
だって、正に今私が欲していた、ど真ん中な言葉だったから。
それが義兄からではなく、土筆くんからだったなんて。
この時、この言葉をくれたのがお義兄さんなら良かったのに・・
なんていう思いが少しでも浮かんでいたら、私は土筆くんの
申し込みを断っていたと思う。
不思議とそんな風には思わず、土屋くんからの好意をうれしいと
感じたのだ。
土筆くんからの告白が数日前だったなら、迷いなく断って
いただろうと思う。
土筆くんはすごいと思う。
好機を絶対逃さないタイプだね。
こういう前向きでタイミングを外さない人とだったら、幸せになれそうな
気がする。
ものすごい義兄のことで悩んでいたというのに、新しくパートナーに
なるかもしれない人が出来たせいか、随分と気持ちが楽になったような
気がする。
どんな理由で断わればいいのか、っていう点でも悩んで
いたのだけれど、これで正当な理由もできたことだし
案外私に断られてお義兄さんもほっとするかもしれないし。
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