Wedding Bouquet ウエディングブーケ -22-

135/194
134人が本棚に入れています
本棚に追加
/194ページ
75-2.  その日の土筆くんが私にくれた好きだの3文字は、私のハートを どキュンと射抜いたのだった。  だって、正に今私が欲していた、ど真ん中な言葉だったから。  それが義兄からではなく、土筆くんからだったなんて。  この時、この言葉をくれたのがお義兄さんなら良かったのに・・  なんていう思いが少しでも浮かんでいたら、私は土筆くんの 申し込みを断っていたと思う。  不思議とそんな風には思わず、土屋くんからの好意をうれしいと 感じたのだ。  土筆くんからの告白が数日前だったなら、迷いなく断って いただろうと思う。  土筆くんはすごいと思う。  好機を絶対逃さないタイプだね。  こういう前向きでタイミングを外さない人とだったら、幸せになれそうな 気がする。  ものすごい義兄のことで悩んでいたというのに、新しくパートナーに なるかもしれない人が出来たせいか、随分と気持ちが楽になったような 気がする。  どんな理由で断わればいいのか、っていう点でも悩んで いたのだけれど、これで正当な理由もできたことだし 案外私に断られてお義兄さんもほっとするかもしれないし。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!