Wedding Bouquet ウエディングブーケ -22-

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1-2.❧-    その間私といえば、学生から社会人になっていた。  誰もが並んだ私と姉を見れば、はぁ~、同じ親から生まれてるはずなのに という思いを抱いたはずだ。  もちろん美しく生まれたほうがいいに決まってるけれど…… どちらかにしてほしかった。  姉妹揃って平凡  姉妹揃って美人  姉妹揃ってキュート とかね。  ふたりきりの姉妹で大きな差があるのは、罪作りだと思う。  姉が豪華絢爛で華やかなだけに、いたずらに地味で大人しめの私は 一様にその差が顕著に周りには見えたことだろう。  しかし、救いは年の差だった。  その場面その場面で競い合うようなことが少なかったから。  そして母も父も私を姉と同じように、ううんそれ以上に甘えさせてくれ 慈しみ育ててくれた。  いつだって私の話す言葉にじっと耳を傾けてくれたし、  楽しいことをしょっちゅう提案して実行してくれた。  勉強のできないことにも怒らないで、 『とまちゃんに合う学校探そうねぇ』と言って私に寄り添ってくれた。  両親の大きな愛のお陰で、私は姉と同じようになんとか大学まで 行くことができた。
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