スカイアンブレラXV /冷たい人

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だがある時、しばらく、あの人はオフィスに戻ってこなくなった。

私はあの人からの仕事を待っていたのだが、オフィスにあの人が現れないので、それ以降、指示を受けることも、作業することもなかった。

前にあの人から頼まれていた仕事があり、それをやり遂げていたので、そのことの報告もしたかったが、それもあの人が戻ってこないので出来ないままだった。

一体どこに行ってしまったのか、私には皆目見当もつかなかったが、でもあの人が外で何をやってるのか、私は全く知らなかったのでそれも当然だった。

そもそもあの人が外で何をやっているのかをこれまで気にしたこともなかったが、こうしてあの人がオフィスに現れず、会うこともなくなってくると、どうにもその辺りが気になってくる。

元々あの人は、冷たい人だった。

1年も一緒に仕事をしたけど、何を考えてるのか、何を思っているのかさっぱりわからない人だった。

だからもう、私のことなど、とっくに忘れて、どこかに消えてしまったのかもしれない。

今までだって、こういう冷たい仕打ちで、私に接してきたんだから、そんなことは不思議でもなんでもない。

私はきっともうあの人に忘れられている…。

私はただひたすら、取り残されたようにオフィスにそのまま常駐していたが、あの人がオフィスに帰ってくる事はなかった。