心情

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心情

背に残る無邪気さが尊いものならば 絡む蛇の尾は不義でしょうか 他は何も要らないから ただ一つだけ名前を下さい そうすれば私を全部、貴方にあげるわ 差し出せる物は只それだけ 願う物は只それだけ 結び切る小指の行先は蛇の道か たった一粒の砂に押し潰される哀れな命のように私の心は凍えていく 片目の少女 飽くなき酔い 交わらない視線と 見初められなかった誰かの瞳 いっそ壊れる事が出来れば幸せだった? 嘘に溶けた雨は静かに通り過ぎて 幾度も私を抱くのでしょう 誰かの声に酔えない末路は憐れですか? どれにしようか 選ぶ指さえ止まらずに 二度とない貴方の影ばかり追い掛ける 落とした舌が疼いて薬指が枯れ果てるように 飲み込んだ時ばかりが私を知る 大事さを天秤にかけた事なんてなかったフリで 果てもなく強請る貴方が愛おしい 見上げて見下す弛みは 百合の花を咲かすでしょう 降られた枸橘が夢を辿るなら その腕に落ちてしまいたい 報われないままなら見透かして 境目の無い明日で水面を染めて 障る声で言わないで 秘すれば花なんて遠い幻想だから 始まってもない事を知ってしまえば始まりを知らない終わりがあるでしょう 知ってしまう事が幸福なのか、知らないふりをする事が幸福なのか 私は答えを持たないけど (かお)を変えた愛だけが全てでしょ? 沈んで沈めて深く埋めて 空に落ちていくのなら 不可視の花が空に縋り指を開くように あどけない嘘を求めるの 嗚呼、ねぇ…私まだ…
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