ロボに恋した女子高生

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「お待たせー」 芽衣がレジでの料金の支払いを終え、店の前で待っていた瑠衣に向かって言う。 「よし、じゃ帰ろっか」 瑠衣がそう言うと、二人は家の方に向かって歩き出す。 「今日も店員さんと喋れた?満足した?」 「うん!まあ本当はもうちょっと喋りたいんだけどね、いっぱい人が並んでるから」 「まあそれは仕方がないねー」 「あと、かっこいいですねって言ったんだけど、また無視されたんだよね!ほんと冷たいんだよなー…」 「いや、冷たいって、そりゃロボットなんだから」 「いや、私はロボットでもいつかは私の気持ちが伝わるって信じてるから!」 「ほんとすごいよ、あんたは」 芽衣は苦笑いしながら言う。 「あんたもすごいけど、やっぱりあのロボット店員さん、すごすぎるよね。すごく流暢に喋るし、動きも違和感が全然無いし」 芽衣は続けて、感心した様子で言う。 「ほんとそうなのよね。全然ロボットと思えないんだよね」 「うん、ほんとにそうだし、あとあんなにすごい技術なのに、なんで公に発表しないんだろう」 芽衣は不思議そうに言う。 「確かに、絶対最後に口止めされるもんね。私はもう慣れちゃってて気にならなくなってたけど」 瑠衣は芽衣に共感して、不思議そうに言う。 「あんなにすごい技術、発表したら絶対博士店長、有名になるのに」 「確かにそうだね。不思議だ…」 二人で顔を見合わせて、不思議がる。ちなみに博士店長は、古本屋の店長のあだ名である。 「でも、それより私はもっとあの店員さんと仲良くなりたいなー」 瑠衣は少し上を見ながら、独り言のように言う。 「あっ、そうだ!瑠衣!あんたに良い話があったのよ!」 芽衣は突然声を張り上げる。 「良い話?」 瑠衣は不思議そうに芽衣の顔を見る。 「実は、さっきレジでちょっとトラブルがあって、出てきた博士店長と話してたんだけど、どうやら一人人間のバイトを雇おうとしてるみたいで、私が誘われたんだけど、友達にちょうどいい子がいるって言って、あんたのこと紹介しといたのよ!」 芽衣は丁寧に説明をする。 「どうかな?瑠衣」 明らかに驚いた顔をしている瑠衣に、芽衣は聞く。 「ちょっと、芽衣ちゃん、バイトって…」 瑠衣は険しい表情で下を見ながら言う。 「あれ?ダメだった?」 芽衣は予想外の反応に驚いて言う。 「最高じゃない!!ずっとあの店員さんと一緒にいられるってことでしょ!想像しただけで最高だわ!芽衣ちゃんありがとう!」 瑠衣は突然テンションを上げ、芽衣の両手を持って飛び跳ねながらまくし立てる。 「なーんだ、良かった」 芽衣は驚きながら、安心して言う。 「明日学校休みでしょ。朝八時半に古本屋に来てだって」 「うん、分かった。ありがとう!」 瑠衣は満面の笑みで言う。芽衣も自分のことのように嬉しくなり、瑠衣と一緒に笑っていた。 すると、突然、目の前にスーツ姿の男が二人現れた。
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