side B

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 聖夜の街は、相変わらず寒そうだ。建物の中にいるから、暖かいけれど、でもそれももう終わる。もうすぐでバイトのシフトは上がるし、家に帰るまでの道のりは寒い中過ごさないといけない。もう少し着込んで来ればよかったと、心の中で思うと、一人のお客様が店内にやって来る。  お客様がマフラーに顔をうずめながら、レジ前を通って、暖かいお茶を取る。それから食品エリアでしばらく屯っていた。 ———ちょっと将暉にな。  私はそんなことを考えながら、静かにお客様のことを待つ。しばらくして、お客様は温かいお茶とオムライスをカウンターに置くと、将暉もオムライス好きだったなと思う。  いけない。クリスマスのせいか、さっきからずっと元カレのことを考えている。 「いらっしゃいませー!」  私は元気よく言って、慣れた手つきでバーコードを読み込むと、「真白……?」と呼ばれて顔を上げる。  マフラーから現れた顔を見て、私は目を見開いた。少し大人っぽくなった将暉が驚いた顔をして、私を見ていた。  が、奇跡みたいに目の前に現れた。
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