side A

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 真白とは、高校生の同級生であり、俺の、そしてだ。付き合って3か月で別れた。多分、。  まさか大学生になった今、こんな形で再会するとは思っていなかった。  俺はコンビニからちょっと遠ざかって、そこで足を止めると、くるりと振り返ってコンビニを見る。そして一歩足を前に出したが、そこで止めた。 「いや、良くないな」  俺は帰る方角へと向きを直すと、そちらに向かって歩きだす。  時刻は20時を過ぎようとしていた。街中はさらにカップルで賑わいを見せている。俺はその賑わいの中、人混みを掻き分けて前へと進んだ。 「将暉……!」  俺は足を止めると、声が呼ばれた方を振り向く。肩で息を切る真白が、私服姿で立っていた。高校生の時とは、印象が全然違って大人っぽい。黒色のタートルネックがそれを引き立てていた。
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