Happiness 幸福というもの

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2-2.  そんな中、10月末の吉日にホテルでLunchを摂りながらの あかね、竜司、竜司の両親との顔合わせとなる日を迎えた。  あかねは失言があった場合、次に生かそうと顔合わせの後で ひとり反省会をする為に、この日の会話を録音していた。  のっけからの不躾な質問が政恵から出た。 「あかねさんは一度結婚されていたと聞いていますが離婚 理由を教えてくださらない?」  父親と竜司は思わず顔を見合わせた。  あまりな質問内容に冷や汗をかいたものの、竜司自身そこは 多少なりとも知りたいところではあった。  「別れたとはいえ、一度は好きで一緒になった人のこと相手にも 立場があるので詳細は申し上げられません」 と、あかねは軽くかわした。  母、政恵は目を見開いて怒りを隠そうとはしなかった。  思えばここに着いてからの政恵は挑発的で友好的な雰囲気は 全くない。  ふたりの仲を漸く認めることにしたからこそ、あんなに結婚は 反対、あかねにも会わないと言ってたのを覆して、会っても いいと言い出したのではなかったのか。  てっきり友好的に会って話してくれるものとばかり思って いた竜司は、そうではない母親の言動に己の判断能力の欠如を 目の当たりにし、頭を抱えた。  母親に頭が上がらないのか、はたまた訳あって上げられないのか 知らないが、外的には有能な父親もこの場であってみれば ただの木偶、あてにならない無用の長物と化している。
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