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20-2.
「あぁ、ほんとにあんな母親持つとお互い苦労するな。
自分本位で自分の考えや物指しが一番で、人の気持ちに添う
ということの出来ない人だ、あの人は。
結局俺は反対するならこの家を出る、知沙子との結婚を取る
って言ったよ。
そしたら、何だかんだ言いながらも同居するのならと、お許しが
出たってわけ。お前にはそういう覚悟はないのか?」
「兄さん、たぶん僕は自分の取るべき行動、どこでどんな選択をしたら
良かったのか、大きな間違いをしたんだと思う。
だけどあそこまで母さんが酷い事を顔合わせの時にしていたなんて
予想もしてなかったからね。
反対して会わないって言ってたのに会ってみてもいいって言ったんだぜ。
誰だっていい方向に向かってるって思うだろ。
可能性があるって思うだろ?
なのにそんな僕や黒崎さんに対してあんな言動してたなんて
母さんがほんとに信じられないよ」
そう言いながら、竜司は拳を握り締めた。
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