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20-4.
「人事じゃなくて、俺のほうも火の粉が飛んで来そうな按配でな。
手遅れになるところだった。
母さんの今までの言動が原因で知沙子が俺との離婚を考えていたんだ。
お前や黒崎さんに対する母さんのあんまりな言い草を聞いているうちに
もしや?と思うところがあって、時間をとって知沙子の今の気持ちを
聞いてみたら・・まさかのまさかでビンゴだった。
感が当たっててな。
知沙子が働き出した頃からなんとなく思うところはあったンだよ。
父さんにも一応言ってある。
もう住む家も大体目星はつけてあって、決行日までに少しずつ、荷物を
運ぶつもりにしている。
お前がもしちらっとでも家を出て行こうという気持ちがあるなら
俺達が家を出て行く前のほうが出て行き安いだろう?
そう思うから、決行日はまだ先だが今知らせとくわ。
俺達が居なくなった後じゃ、出て行きにくいだろ・・って
いうか、母さんが離してくれないだろうからな」
「そっか、もう決定なんだね。
義姉さんが可哀想だよな、このままじゃ。
僕も兄さんのように、ここっていう時に決断力があったら、好きな人を
失わずに済んだかもしれない」
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