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21-2.
父までもが母親を捨てるように出て行ってしまい、竜司は心底驚いた。
父親から兄と竜司のところへ連絡が入ったのは兄達が家を出てから更に
1ヶ月後のことだった。
父が家を出て行こうと決め手になったのが、やはり今回の黒崎さんに
対する母の仕打ちだったらしい。
今までも散々幻滅することは多々あったので、前々から出て行きたい
できるなら離婚したい、そんな気持ちがどこかにあった。
だが実行するとなると、それはまた別のことかとあきらめの気持ちも
半分あって行動に移すことなく来た。
けれど今回の母のやりようを見ていて、今まで何を迷っていたのかと
自分を叱り飛ばしたくなる程で、決して息子達に続いて家を出たわけでは
ないのだよと、言われた。
すでに昨年の黒崎さんとの顔合わせの時の母の言動や、その後の僕に
交換条件のように見合いをさせたこと、それから義姉さんや兄さん達も
いる前で、
あんな7つも年上の年増のバツイチなんて絶対家になんて上げないわよ!
どこか他所の場所で充分でしょ!!
と黒崎さんとの顔合わせの前に暴言を吐いたことで、一気に母さんへの
気持ちが醒めてしまったとのこと。
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