124人が本棚に入れています
本棚に追加
21-4.
俺の過去にはなかった位好きになった女性黒崎さんとの恋愛の着地点は
俺の家族をこれでもかという程、バラバラにしてしまった。
そして俺は恋しい女性(ひと)を失くしてしまった。
静かな気持ちでそれらに対峙した。
時だけは無情にも過ぎていく。
課もフロアーも違うので、会おうという意志が無い限りは
黒崎さんとほとんど会うことはない。
父が家を出る少し前に、黒崎さんの再婚のことを倉本から聞いて知った。
「俺、てっきりお前と黒崎さんの付き合いが上手くいってるとばかり
思ってたからびっくりしたわぁ~!彼女、設樂課長の弟さんと結婚する
らしい」
「倉本、この話はオフレコな。
お前だけに言うけど、俺の母親の反対で僕等の結婚話はぽしゃってたンだ。
俺は何とか説得して・・って考えてたんだけど、結婚しても上手くいく気がしないって彼女の気持ちが強くてね。
最初はプロポーズOKしてもらってたんだけど、結局は俺が振られたんだ」
「一度振られた位で引き下がったのか!なんとかならなかったのかよ。
もういい年の大人なんだから、母親の承諾なんていらないじゃん、って
俺は第三者だから言えるけど、きっと笠原も黒崎さんもいろいろと葛藤が
あった上での結論なんだな。
あれから俺もまさみチャンに振られたんだよ。
振られたモン同士、今度飲みに行こうぜ」
最初のコメントを投稿しよう!