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23.
" Restart 再出発 "
その後、竜司はそれまで勤務していた役所を辞めた。
半年余りは旅を兼ねて住む場所を捜し歩いた。
住む街が決まると、勉強をし直して試験を受け直し、再び小さな田舎町の
役場で勤務することになった。
昼時になると、役所から5分と離れてない食堂でいつも昼食を摂る。
その食堂ではまだ少女に見える程、子供時代の名残を色濃く残している
山内真砂19才が、毎日元気で明るくチャキチャキ働いていた。
真砂には泉という8才の弟がいて、学校が終わると自宅には帰らず店に
帰って来ているようで、とても仲が良い。
いつも昼食を摂る時間には、弟はまだ学校で、見かけることはないが
外回りで昼食の時間がずれ込んだ時などに、時々姉にまとわり付いている
弟を目にすることがある。
その日も外回りの仕事で昼食を摂るのが遅くなった。
泉が死にそうになって凍えている仔猫を拾って来た。
飯屋の人の善い夫婦も姉、真砂と一緒に顔を出し、どうしたものかと
思案に暮れていて、泉と真砂はきょうだい揃ってどーしよう、どーしようと
オロオロしている。
オンボロアパートは飼えないのだろう。
仔猫が可哀想で捨て置くことも出来ず、悩む姉弟。
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