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4-2.
「・・・ 見合い」
「・・・ み・あ・い? 」
「うん、お見合い」
「笠原くんと誰かのお見合いってことなのね?」
「何度かちゃんと見合いしてほしいって。
それでいいと思う人がいなければ黒崎さんとのことを考えてもいい
って言ってるんだ。
初めから気持ちもないのに見合いをするなんて相手の人には申しわけ
ないけどね。僕も背に腹は代えられないからね。
見合いすれば僕達のことを認めてくれるっていうんならお安いもんだと
思って。
そういう事でしばらく休日に会えなくなるかもしれないけど
心配しないで待っててほしいんだ」
あかねは考えもしなかった竜司の告白に体からどっと力が抜
けていくのを感じた。
反対されるようなら家を捨ててでも私と一緒になりたいと
言ってたのでそのような流れの告白なのかと期待していたけれど
全くの期待はずれ・・・どころか
もしかして最悪の告白かもしれないと思った。
竜司はどこまでも母親の心変わりを待つことにしたらしい。
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