落ちこぼれ天使の償い

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落ちこぼれ天使の償い

………その日から、1週間程が過ぎてたかしらねぇ。ワタクシ、やるせない想いで、ダイニングにあるテーブルで、肘を付いてボンヤリとしていたのだけれど。 お家の中で引き籠もっていても仕方が無いものだから、ワタクシは、お外に散歩に出かけました。 その町は、あれからワタクシが移り住んだ場所なのだけれど。あの後、田舎のスナックでも、嫌がらせを受けてしまって。お店のお客に誘われて、お家まで遊びに付いて行ったら、いきなり鍵を掛けられてしまい。好きでもない男の一物を加えさせられ、その男はこんな風に呟いたの。 「………オレがお前の好きな酒を死ぬ程飲ませてやったんだから、今度はお前がオレを愉しませる番なんだからよ!………オラッ、しっかりしゃぶれ。」 嫌がってたら頬を打たれて、尻を打たれて、抵抗しようとしていたら、押し倒されてしまって、服を破かれてしまって………。 「………オレから生きて逃げられると思うなよ?………お前の様なメス豚を歩く生ゴミって言うんだからよ?」 その頃のアタシ、そんな風に言われてしまって、とても辛くて………。 ………それでも、命からがらに逃げ出して来れたのだけれど。それでも、ワタクシからは逃げ出せないみたい。 ……………………………………。。。 嗚呼、この世の中に、ワタクシにとっての安息日なんてあるのかしら? ふと、目の前を見ていると、公園の片隅にみかんの木が珍しく植えられており、そこには数匹のアゲハ蝶がヒラリヒラリと空を泳いでおりました。その中のひとつがワタクシの傍らへと近付いて来て、ワタクシの器の周りを彷徨いながら、何やら囁いている様で。 …………ひょっとして、あの方は亡くなられた後、蝶にうまれ変わったのかしら? そんな想いで、ワタクシはそのアゲハ蝶に呟いて見ました。 ………………ありがとう。 そんなボクに人の心を教えてくれて。 ………………ありがとう。 今でも、こんなボクの傍にいてくれて。 こんなボクを慕っていてくれて。 こんなボクの事を想っていてくれて。 ………ボクも死んだら、蝶になってみようかしら。なれると良いけれど。 そしたら、ふたりで仲良く空を泳いで、上になったり、下になったり………。別に、アナタが男でワタクシが女でも構わない。君が女でボクが男でも構わない。赤い糸の絆で結ばれているならば、姿形が変わってしまっていても、ふたりの愛は変わらない。 ……………のではないかしら?
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