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その日はどうやって帰ったのかも分からないまま、気がついた時には自分のアパートのベッドに座っていた。 夕方になってピコンと音がして、課長からメッセージが、届く。 帰り間際の私の様子がおかしかった事を心配する言葉と明日の日曜日のお誘いだった。 「大丈夫か?それと明日映画を観に行かないか。 木島の恋愛リハビリが出来て、俺みたいなおじさんから早く卒業出来るといいな。」 私の言い訳、間に受けて馬鹿みたい。 でも理奈ちゃんに勝てる気がしないから、課長の事、あきらめてその通りになっちゃうかもしれないけど。 私は立ち上がり、買い物に出かける事にした。 まずは理奈ちゃんみたいなゆるふわな少し明るめの茶色のウィッグを購入。 それから久しぶりにAngelinaに寄ると副店長でもう一人の兄、洸ちゃんの奥さんで私の親友舞花ちゃんがいた。 「愛海ちゃん、久しぶりだね。今日はお買い物?」 「うん。通勤用にワンピース買おうと思って。」 「ちょうど良かった。新作が入ったとこなの。愛海ちゃんならグリーン系かな。」 いつもなら同じタイプでもグリーン系を選ぶけど、今日はAngelinaのメインカラー展開をしている赤系を選ぶ。 「珍しいね。赤を選ぶなんて。」 理奈ちゃんカラーの赤をいつも避けて選んでいたし自分に似合わないと思っていた。 でも理奈ちゃんになるんだもん。 ゆるふわのウィッグをかぶれば、赤系のワンピースだって似合うはずだ。 理奈ちゃんと同じなんだから…
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