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「お疲れ様でした。」
「カラオケ行く人!」
「「はーい。」」
「すみません。帰ります。お疲れ様でした。」
「愛海ちゃん、おつかれー。」
居酒屋の店先で挨拶をして、二次会組と別れた。
途中からマイナス思考に引っ張られて、中途半端に酔った状態で、職場の男性陣と一緒に居たくはなかった。
「木島。帰るのか?」
「はい。ちょっと飲みすぎました。」
「俺も帰るから駅まで送るよ。」
「二次会に行かないんですか。」
「ああいうのは、上司がいない方が気楽だろ。それに俺もちょっと飲み過ぎた。」
駅まで10分もかからない。だけど女ひとりで歩くのは少し不安な飲み屋街とあって、気を遣ってくれたんだろう。
ホントに優しい。
歩きながら話すのは、営業所のメンバーの話。
なかなか一人ひとりとじっくり話せなかったと言いながら、私が話す内容を確認しながら聞いてくれた。
「木島はさ。メガネ外したらモテるよな。」
「課長、それセクハラ…」
「俺の好きな人に似てんだ…」
私の言葉に被せるようにそう言って、課長は私の唇を塞いだ。
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