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「ん…」
目を覚まして周りを見ると見慣れないベッドルーム。
横には裸の課長が気持ち良さげに寝ている。
そして、布団の中の私も何も身につけていない。
段々と昨日、あの後の事を思い出して来た。
酔いも手伝って、勢いのまま近くのいわゆるラブホテルに入って…10年ぶりくらいのセカンドバージンを課長に捧げちゃったんだ。
課長って優しいかと思ったら結構ぐいぐいタイプで…
これをきっかけに付き合うとかってナイかな?
「うーん…」
身動ぎをした課長が目を覚まして、こちらを見つめる。
「き、木島?俺…まさか?ごめん。酔って部下と寝るなんて、サイテーだよな。」
その一言で課長が、私をなんとも思っていなかったという事実を突きつけられたような惨めな気分になった。
「課長…覚えてないんですか?」
「あぁ店を出たあたりから。あいつらに結構飲まされて…」
「そんな風に見えなかったんですけど。」
「あんまり顔に出ないけど、気がつくと変なところで寝ていたことは、昔はよくあった。
昨日は…たぶんあんな話をさせられたせいで飲み過ぎたな。」
でもこのまま、何もなかった時に戻りたくはない。
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